トマト台木を中間に入れ 半身萎凋病への抵抗性をUp

  • 穂木、台木は水を控え硬めに仕上げる
  • 作業台にガイドラインを引くと角度が一致する
  • 良く切れるカミソリやカッターを使いましょう。
  • 高温多湿の養生管理を2回連続で行うので徒長に注意
  • 半身萎凋病抵抗性がに強くなる。

トマトは半身萎凋病に強い抵抗性をもってます。中間台に用いる事でなすの半身萎凋病を回避しようとする試みです。

 

トマトを中間に挟み込んだナス接木苗をつくります。
まず、ナス台木にトマト台木を接木します。活着後にナス穂木を接木します。
目的は半身萎凋病の抵抗性を持たせる事です。

青枯病(B)と半身萎凋病(V)が発生する畑では両方に抵抗性のある台木を使いたいのですが、「トレロ」や「茄の命」など抵抗性がある台木を使っても気象条件によっては病気が出る事がありました。
青枯病に強い抵抗性を持つ「台太郎」は半身萎凋病に抵抗性が無いので、接木により半身萎凋病の抵抗性を持たせます。
トマト台木はB・V共に強い抵抗性を持つ品種が多くあります。
2011年に園芸試験場から提供された 台太郎>Bバリア>千両二号の接木苗は成績が良かったので2012年は 台太郎>ボランチ>千両二号の組合せで接木してみました。

支持具はジョインホルダーの2.1を使用。(2回目の接木には2.4が良いかも)2回目の養生時では草丈が高くなるので竹串を支柱にしました。

2012年の作業記録
2 / 18 台太郎なす台木 播種
2 / 25 ボランチトマト台木 播種
3 / 3 千両二号なす 播種
4 / 2 1回目 接木
4 / 9 2回目 接木

反省点としては・・・
台太郎の生育が遅く胚軸が細く短いままで接木した。
穂木の千両二号の種まきが遅れ、小さいうちに接木することになった。
台太郎をもう1週間早くまき、ボランチと千両二号は同時にまくのが良いと思います。
接木予定日の45~50日前にナス台木を、30~35日前にトマト台木とナス穂木を播種(はしゅ)することにします。
生育ステージが合えば、ナス>トマト>ナスの接木を1度で出来るかもしれないので 次回挑戦したいと思います。

結果

結果としては、半身いちょう病の症状は見られなかったので、抵抗性を上げる効果はあるようです。
しかし、果実の変形が多発したので商品性は落ちました。
トマトの根とナスの根では、吸収する成分に違いがあるのかも知れません。
半身いちょう病に抵抗性のナス台木のトレロやトナシムを使った多段接ぎが、有効かもしれません。

接木前の様子

接木前 左から台太郎なす台木、ボランチトマト台木、千両2号なす

トマト台木

ボランチの子葉下の胚軸を中間台として太郎なす台木に接木します。
トマト台木を斜めにカットした図

茄子台木とトマト台木の接木

ボランチトマト台木を台太郎なす台木に接木します。

1回目の養生後

1回目の養生後。トマトは胚軸のみが必要なので葉は切り落としました。

中間に入れたトマト台を斜めに切る

中間に入れたトマト台を斜めに切る。

穂木の千両二号

穂木の千両二号なす

接木完了

なす>トマト>なすの接木作業完了

接木後鉢上げ

2回目の養生後鉢上げ 接木を2回行っているのが確認できます。