なす栽培

専業農家の栽培テク。家庭菜園でも役立ちます。

ナス半身萎凋病の対策-2

菌核 の密度を下げる方法
3)燻蒸作物による土壌消毒

アブラナ科等の作物には辛味の成分が含まれています。
これがロータリ耕で細断されて畑に鋤込まれると"イソチオシアネート"というガスが発生します。
このガスには殺菌や殺線虫作用がある事が知られています。
チャガラシは葉菜の一種で、緑肥用カラシナとして販売されています。
加水分解すると"アリルイソチオシアネート"を発生し、各種病原菌に対して効果的な殺菌効果が認められています。
観賞用の花であるフウチョウソウ科のクレオメは化学農薬のバスアミドの主成分である"メチルイソシアネート"を生じるため、高い殺菌 効果が期待できます。
この他にもブロッコリー、カノーラおよび油糧作物の残査利用についても、同様の効果が報告されています。
チャガラシの播種は9月下旬~10月上旬、11月中旬にロータリ耕で鋤込みます。
その後、ガスが逃げないように鎮圧、散水又は、ビニール被覆をします。
前項の土壌還元消毒のように米ぬかなどを同時に処理することも有効だと思います。
参考  にいがた植防だより 

4)緑肥作物の導入

半身萎凋病の菌核が蔓延した圃場では、土壌消毒を行った翌作で発病がなくても2年目以降に多発することが多くあり、2~3年毎に土壌消毒が必要になります。
圃場、気候条件により処理方法や時期は変化します。
ナスの栽培を休んで土壌消毒の処理を行う場合は、畑が空いている期間に緑肥の栽培をしましょう。
ソルゴー つちたろう
燻蒸効果のあるチャガラシやクレオメのほかネコブセンチュウを減らす効果があるスーダングラス(ねまへらそう)や湛水処理と併用すると菌核を死滅させる効果が高い緑肥用ヒエ(ホワイトパニック)などがあります。
粗大有機物の施用により微生物の多様化させる効果もあるので湛水処理が不可能な傾斜畑等では特に緑肥作物の導入が必要だと思います。
ナスの植付けが終わった6月上旬にガスタードなどで土壌消毒し、7月上旬にスーダングラスの播種、お盆過ぎにロータリ耕で鋤込みます。
時間に余裕があれば9月ころチャガラシの種をまき、10~11月に鋤混みます。

5)湛水処理

水田との輪作ができる圃場では、発生は軽微な場合が多く見られます。
半身萎凋病の菌糸や分生胞子は比較的短期間で死滅しますが、菌核は土壌中で長期間(10年以上)生存することが知られています。
湛水する事で土壌が嫌気的条件になり菌核が死滅すると考えられます。
湛水処理には少なくても40~60日間は必要で水温が高いほど効果が高く、冬季の湛水処理は効果が無いと言われています。

田畑輪換で水田として5年間水稲を栽培するのが、最も菌核を現象させる効果が高いとの報告がありますが、畦畔の復元や水利の確保などが課題です。
ホワイトパニック
緑肥作物として湿地でも短期間に成長するヒエを栽培すると半身萎凋病の防止に効果があります。 しかし栽培期間が短いので効果は限定的なので2~3年間隔での湛水処理が必要となります。

接木苗で土壌病害の回避

ナス台木の選択は、青枯病(B)と半身萎凋病(V)の発生の有無、被害の程度、病原菌のレースで決めます。
・B発生なし、V発生あり(軽度)=耐病VF
・B発生なし、V発生あり(中度)=トナシム
・B発生あり(軽度)、V発生あり(中度)=トナシム 
・B発生あり(重度)、V発生なし=台太郎
重度(第3群)の青枯病には台太郎を使います、残念ながら台太郎には半身萎凋病に抵抗性がありません。
なので青枯病が多発する畑では接木で半身萎凋病を回避することは出来ません。
耐病性は完全ではないのでトルバム系の台木でも半身萎凋病が発生する事があります。
1本の苗に台木を2種類使う方法もあります。
根の部分にトナシム台木。その上に台太郎台木を接木して、更に穂木を接木する方法があります。
半身萎凋病をトナシムの根で防ぎ、青枯病を台太郎の茎で防ぐという考え方です。
詳しくはなす多段接木苗をご覧下さい。

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